ニコ生では、「外配信」という放送ジャンルがあります。
大きく分けると、
- 車やバイクを運転するドライバーがほぼドライバー目線にカメラを装着して放送する「車載配信」
- 土木関係の仕事をしている人が固定カメラをつけて放送する「重機配信」
- 普通に街を散歩しながら放送する「散歩配信」
あたりになるでしょうか。
ちょっと本格的なライブ配信となると、Live Shellというニコニコ生放送に対応している配信機器(ビデオカメラ等とケーブルを繋いで配信)がありますが、ニコニコ生放送においては、あまり多数派とは言えないので、PCで配信する場合とモバイルで配信する場合の2つの手段で解説したいと思います。
PCを持って、外配信してみよう!
では、今回のPCを使っての配信について、細かく解説します。
まず、必要な機材は、パソコンのほか、ウェブカメラ、そしてモバイル回線(テザリングするための端末やWi-Fiルーター)が基本です。
その他、車載放送をする人であれば、パソコンを操作しやすいように固定するパソコン台、ウェブカメラを固定するための三脚やクリップも必要になるでしょう。
まず、ウェブカメラですが、いろいろなメーカーからカメラが発売されている状況ではあります。
そんな中でも、別のコラムでも紹介した通り、ロジクール社製のウェブカメラを使うことが無難に感じます。
外配信でもより高画質を目指したいであったり、夜間に車載配信をしたいという人であれば、光量が少なくても綺麗に撮影することができるc920tまたはc930eといったやや高級なウェブカメラを購入することが望ましいです。
スペックの低いカメラだと、視聴者側から見ると、何か絵がうごめいているようだけど何が映っているのかがよく分からない配信では勿体無いので、決して安くない価格のウェブカメラではありますが、その点は考慮してください。
ウェブカメラと同時に重要になるのがモバイル回線です。
モバイル回線は、とりあえずはインターネットに接続できる状況であれば放送はできるのですが、問題となるのは途切れずに安定して放送できるモバイル環境です。
モバイル環境が不安定になると、ところどころで配信映像が固まり、場合によっては音すら出なくなり、視聴者は固まった映像の状態を(状況によっては真っ暗の画面が映ることも)見せることになってしまいます。
建物の中、室内の場合はどうしてもモバイル電波出力が弱くなりがちなので、場所によっては圏外になってしまうことは避けられないことがありますが、せめて屋外にいる限りは電波を途切れさせない配信を目指したいところです。
電波状況は放送する場所にもよりますので、これが絶対オススメと限定して挙げるのは難しいところです。
大都市圏や都市部では、3G・LTEともにほぼカバーされていると思いますので、特に問題ありませんが、そういったエリアからやや外へ出る場合は、各通信キャリアのウェブサイトへ行って、エリアマップから配信予定場所がサービスエリアになっているか否かを確認した上で放送してください。
その他主要通信業者では、例えば1ヶ月あたりの通信量や3日間(72時間)の通信量が一定以上に達すると速度制限をしています。
速度制限を受けた場合、最高で100~300kbps程度しか速度を出せなくなります。これくらいの速度となると、映像をクリアに送信することはほぼ不可能で、固まったままの映像に音声が何とか視聴者に届けられるかレベルの配信となるので、まともに見せられる配信ではなくなります。
したがって、自身が契約している月の高速パケット通信は何GBなのか、3日間の通信制限があるのかを確認した上で、1ヶ月に自身はモバイル回線で何枠(何時間)くらい配信するのかの「見積もり」を立てることが快適に配信を見せるために必要となります。
その為には、1枠(30分)でどれくらいのデータを転送しているのだろう?という目安を知ることが大切となります。
ニコニコ生放送での配信ビットレートは、02:00~19:30は最大480kbps、19:30~翌02:00までは384kbpsとなっています。
この○kbps(キロビット毎秒)、というのは、1秒に480kbps(または384kbps)分のデータを転送しているということを意味します。
実際に1秒に何「キロバイト(KB)」分転送しているか計算してみると、
- 480kbps×1000=480,000bps(=bits)
- 480,000bits÷8bits=60,000Bytes(8bits=1Bytes計算)
- 60,000Bytes÷1,024bits(=1KB)=58.59375KB
つまり、理論値では480kbps換算で1秒間に58.59375KBのデータを転送しているということです。
1枠(30分)で計算すると、
- 58.59375KB×60秒×30分=105,468.75KB
- 105,468.75KB÷1,024KB(=1MB)=約102.99683MB
つまり、配信ビットレート480kbpsの場合、30分あたりの通信量は約103MBとなります。
また、同じ数式で配信ビットレート384kbpsの場合、30分あたりの通信量は約82MB(約82.39746MB)です。
ただし、これはニコニコ生放送をするためにブラウザを開いて通信するだけの量ですので、ブラウザを開いて他のサイトを同時に閲覧していたり、PCの常駐ソフトウェアがインターネットと接続して通信している場合を考慮していませんので、そこまで考えれば約100~120MB分くらいと考えると無難でしょう。
ごく一部ですが、通信制限なしの定額プランも存在します。
例えば、WiMAX(WiMAX 2+でない点に注意)に通信制限はありませんが、WiMAXを提供しているUQコミュニケーションズが2015年春からキャリアアグリゲーションを導入して、「WiMAX 2+」が最高220Mbps/秒に速度アップすることに伴い、既存WiMAXサービスは2015年9月30日以降、従来の周波数帯域30MHzのうち、20MHz分をWiMAX 2+へ持っていかれるので、残り10MHz分しか使えず、最高速度が40Mbps/秒から3分の1の13.3Mbps/秒へ低下します。当然実質速度はもっと低くなるので、2015年9月30日以降放送に耐えうる速度が出るのかは気にしなくてはいけません。
ほかでも現状、NTTドコモ3G/LTE回線を利用しているMVNO業者のU-Mobileが最高150Mbpsの「LTE使い放題プラン」を2,480円(税別、音声通話対応SIMの場合は2,980円)、最高3Mbpsではありますが、ぷららモバイルが「LTE定額無制限プラン」を2,980円(税込)で提供していますが、”本家”NTTドコモのLTEと比べてどれくらいの速度が出るのかは見極めなくてはいけません。
最後に、外配信で注意しなければいけないのは、駅・空港・車内や外の建物の中で撮影する場合、放送に全く無関係の通行人を撮影する場合です。
本来、他人の敷地内で撮影するには所有者の許可が必要となります。また、通行人を撮影する場合でも法律上では肖像権法に違反はしませんが、それぞれの地域の条例によって規制されている場合がありますので、撮影には細心の注意を払うようにしましょう。
また、規模の大きい配信になってくると、「特定厨」(周囲の風景の僅かな情報から撮影している場所を特定する人物)や「通報厨」(場所を特定したことにより、怪しい人間が無許可で撮影しているなどと、警察や各施設へ連絡・通報する度を超えたようなことがする人物)という存在に高い確率で遭遇します。
例えば、明らかなルール違反をしていることを見かけたため通報するという行為は問題無いですが、違反とは無関係な人の活動を妨げ、自分の気分を晴らすという「愉快犯」が少なくないのも事実です。
その為、可能な限り配信する際は予め許可を得ること、撮影禁止を告げられた時は即時に対応、どのような事態に遭っても誠実に対応することがトラブルを防ぐコツと言えます。
【目次】
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